警察官を辞めたら年収はいくら下がる?700万→400万台の実体験

転職・キャリア

「公務員を辞めたら、年収は下がるんじゃないか」——そう思って動けずにいる方に向けて書きました。

先に結論を書きます。私は公務員(警察官)から民間へ転職して、年収が約300万円下がりました。毎月の給料も、ボーナスも下がりました。それでも、前の職場に戻りたいとは思っていません。

きれいごとを書くつもりはないので、下がった金額も、うまくいかなかったことも、そのまま書きます。

結論:年収は約300万円下がりました

年収
警察官時代(17年目)700万円台
転職後(1年目の見込み)400万円台
転職で年収はこう変わった。警察官時代700万円台から転職後400万円台へ

転職してから、まだ数か月です。年収は年単位で確定するものなので、上の数字はあくまで見込みです。

それでも、最初の給与明細を見たときのことはよく覚えています。数字は事前に分かっていたはずなのに、実物を見るとズシンときました。頭で理解することと、現実として受け止めることの間には、はっきり距離があります。

それでも「戻りたい」と思わない3つの理由

① 自分に嘘をつく毎日が終わった

17年間、「このままでいいのか」という問いに蓋をして働いていました。転職が正解だったかは、正直まだ分かりません。でも、その問いから逃げ続ける毎日はもう終わりました。

蓋をして生きる苦しさより、答えを探しながら生きる大変さのほうが、私にはずっと健全でした。

② 体の不調が消えた

辞めたいと思っていた頃は、頭痛が続いていました。仕事の前日には涙が出ることもありましたし、冷や汗や動悸もありました。

当時は「気合いが足りないだけだ」と思っていました。でも転職して数か月で、それが全部なくなりました。あれは根性の問題ではなく、体からの警告だったのだと今は思います。

※体の不調が続いている場合は、我慢せず医療機関に相談してください。私はあくまで一例です。

③ 疲れ方が変わった

新しい仕事にも残業はありますし、覚えることは山ほどあります。ラクになったわけではありません。

ただ、疲れ方が違います。やらされている疲れと、自分で選んだ道での疲れは、まったく別物でした。

年収を下げてでも動くか、どう判断したか

先に「家族が暮らせる最低ライン」を決めた

私が10年ものあいだ動けなかった最大の理由は、不安を数字にしていなかったからでした。「下がったら生活できないかもしれない」という漠然とした恐怖だけがあって、いくらあれば足りるのかを一度も計算していなかったのです。

家計を洗い出して、家族が暮らせる最低ラインを出しました。すると、恐怖が「課題」に変わりました。内定の年収提示は警察官時代を大きく下回りましたが、そのラインは越えていたので受けられました。

基準を先に作っておくと、提示された数字に感情を揺さぶられずに済みます。

家族は「説得する相手」ではなかった

妻には、説得しようとするのをやめて、数字を見せて本音で話しました。一緒に考えてもらう、という形にしたのです。あの日がなければ、今はありません。

公務員からの転職で、私がつまずいた3つのこと

① 大手エージェント4社に、書類で全部落とされた

40歳手前・民間経験なしの元警察官という条件で、大手の転職エージェント4社すべてに断られました。書類の段階です。

数字で並べると、こうなります。

ルート結果
大手転職エージェント 4社全滅(すべて書類で不採用)
求人サイトから自己応募 約50社4社ほど一次選考まで進めた

※自己応募のほうは記録を細かく残していないので、正確な数ではありません。記憶の範囲で「4社くらい」です。それでもエージェント経由がゼロだったのに対して、自分で応募したほうは前に進めた——この差ははっきりしています。

落ち込みました。ただ、正直に言えば自己応募もうまくいっていたわけではありません。約50社出して一次に進めたのは4社ほど、割合にすれば1割にも届きません。
それでも、エージェント経由がゼロだったのに対して、自分で動けば前に進む余地はあった——ここが分かれ目でした。あとから分かったのは、エージェントが見ているのは「紹介しやすさ」であって、その人の価値そのものではないということです。評価する人が違うだけだったのです。

▶ 詳しくは転職エージェントに断られた公務員へ|4社全滅から転職できた実体験に書いています。

② 転職活動に1年8か月かかった

軽く動き出してから実際に入社するまで、約1年8か月かかりました。

最初の半年は、ほとんど動けていません。求人を眺めて、そのまま閉じるだけの夜が何度もありました。すぐ決まる人の話を見ては、あせっていました。

今言えるのは、遅くても終わりは来る、ということです。今動けていない人も、それは失敗ではありません。

③ 自分の経験を、民間の言葉に訳せなかった

自己応募は多く見積もって50社ほど。それでも書類も面接も、自分では何が悪いのか分かりませんでした。

最終的に、転職のサポートに15万円を払いました。高いと思いました。でも17年分の経験を民間の言葉に翻訳してもらえたことで、ようやく前に進みました。独学のままだったら、もっと時間がかかっていたと思います。

文書を正確に作る力、理不尽な相手にも冷静に対応する力、組織の中で調整して進める力——こうしたものは、翻訳すればちゃんと武器になります。

動く前に、いくら下がるか計算する3ステップ

動く前に書き出す3つ。手取り、家族が暮らせる最低ライン、その差額

ここからは、読んで終わりにせず実際に手を動かせる形で書きます。私が動けるようになったのは、不安を「数字」にしてからでした。紙でもスマホのメモでも構いません。3つだけ書き出してください。

ステップ1:いまの手取りを書く

年収ではなく毎月の手取りです。給与明細の「差引支給額」。ボーナスがある場合は、年間の手取り合計を12で割った額も出しておくと現実的になります。

ステップ2:家族が暮らせる最低ラインを出す

ここがいちばん大事です。ぜいたくをしない前提で、毎月いくらあれば暮らせるかを計算します。

項目月あたりの金額
家賃・住宅ローン
食費
水道・光熱・通信
保育料・教育費
保険
車(ローン・ガソリン・駐車場)
その他(日用品・医療・交際費)
合計=最低ライン

ステップ3:差額が「下げてもいい幅」

ステップ1からステップ2を引きます。その差額が、あなたが受け入れられる年収ダウンの上限です。ここに貯蓄の取り崩しを足すかどうかは、ご家庭の考え方次第です。

私の場合、内定の年収提示は警察官時代を大きく下回りました。それでも受けられたのは、この最低ラインを先に出していたからです。基準がないと、提示された数字そのものに気持ちを揺さぶられます。

そして、この3つを書き出す作業は今の仕事に1ミリも影響しません。辞める決断ではなく、判断材料をつくる作業です。

いま迷っている人へ:順番だけは間違えないでほしい

ひとつだけ、強く言いたいことがあります。辞めてから探すのは勧めません。

収入が途切れた状態での転職活動は、焦りとの戦いになります。在職中なら「残る」という選択肢を持ったまま戦えます。私は在職中に活動し、次を決めてから辞めました。

それと、転職の「準備」自体にはリスクがありません。家計を把握する、求人を眺める、職務経歴書を試しに書いてみる。どれも今の仕事を1ミリも脅かしません。

私が動けなかった本当の理由は、不満が足りなかったからではなく、現状を変えるのが面倒で、怖かったからでした。怖さと面倒くささは似ていて、どちらも小さく動くと薄れます。

よくある質問

警察官を辞めると、年収はいくら下がりますか?

私の場合は700万円台から400万円台へ、約300万円下がりました(1年目の見込み)。ただしこれは「警察官を辞めたら必ずこうなる」という数字ではありません。転職先の業種や職種で大きく変わります。

私は民間経験がなく、未経験の分野に入りました。前職の経験がそのまま活きる仕事に移れる方なら、下げ幅はもっと小さくなるはずです。大事なのは平均値ではなく、あなたが受け取る具体的な提示額と、家族が暮らせる最低ラインの差です。その出し方は、この記事の後半に書いた3ステップをお使いください。

年収が下がるなら、転職しないほうがいい?

「何のために転職するのか」によります。年収を上げることが目的なら、下がる転職は失敗です。私の場合は、体調と、自分に嘘をつかずに働けることのほうが優先順位が高かったので、下がる前提で決めました。

年収はいつか戻る?

分かりません。まだ数か月なので、無責任なことは書けません。この記事は「下がった直後の記録」だと思って読んでください。

公務員から民間に行っても通用する?

私は「警察の経験なんて民間では使えない」と思い込んでいましたが、それは言語化できていなかっただけでした。詳しくは公務員から転職すると年収はどうなる?公務員のストレスが限界な人へに書いています。

まとめ

  • 年収は700万円台から400万円台へ、約300万円下がる見込み
  • それでも戻りたいとは思わない(体調が戻り、疲れ方が変わったから)
  • 先に「家族が暮らせる最低ライン」を決めると、数字に振り回されない
  • エージェント4社に断られても、自己応募では選考に進めた
  • 活動には1年8か月かかった。遅くても終わりは来る
  • 辞めてから探すのは勧めない。準備自体にリスクはない

決断までの流れは公務員を辞めるまでの全記録に、辞めたあとの現実は公務員を辞めた末路は悲惨?にまとめています。

最後までお読みいただき、ありがとうございました。

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